紹介と感想 『コンビニ人間』

紹介

みなさんは『コンビニ人間』をお読みになったでしょうか。

この間、書店に行ったら文庫版で発売されていたので買いました。

『コンビニ人間』は第155回芥川賞を受賞した作品です。

どんなものかなといった気持ちで読んでみたら、なんと面白い。

「久しぶりにここまで面白い本を読んだ」というのが感想です。

ただ人によってはかなり評価が変わってくると思いました。

純文学が好きな人にはオススメです。ぜひ読んでみてください。

(次の感想からはネタバレが含まれるのでご注意ください。)

感想

さて、感想に入っていきたいと思います。

ここからはネタバレも含まれるので読んでいない方は、ぜひ読んでからお読みください。

『コンビニ人間』というタイトルはこの本の全てを表していると感じた。

それはストーリーとしての点と、人間の考察という点である。

まず、ストーリーとしての考察は、コンビニで働く人に焦点を当てて物事の展開がある。

もちろん、主人公だけがコンビニで働いているわけではない。主婦やバイト、フリーター、そして外国からの留学生など様々な人が働いている。その人たちの細かい描写がとても鮮明で、イメージがとてもしやすかった。

コンビニを舞台にした話という意味で『コンビニ人間』というタイトル。

そして、もう一つは人間の考察である。

これがこの本の醍醐味であり、もっとも面白かった部分である。

私たち人間は、他者とともに生きることで、自分というものを知ることができる。この小説でも、主人公が、他の人と交わると自己が変容されていく。最初は、できるだけ普通でいようという思いのために他者の仕草や癖、ファッションを真似していた。それを読んでいる時、この主人公の奇異な行動が少し不気味にも思えた。

しかし、私たち人間は意識してそれをしていないだけで、無意識でそれをしてしまっているのではないだろうか。例えば、ファッションを考えてもらえればわかるだろう。様々な店で同じような服を売っているではないか。それはみんなが似たような服を買う傾向にあるからではないか。流行のものを買えば時代の波に置いて行かれない。そんな思いがあると思う。

ハイデガーが、自己は他者との関係性の中から現れるという。まさにそのことがこの本でも表れていると感じた。

人間という生き物を考察した面白い本でした。ぜひ、この著者の他の小説も読んでみたいと思いました。

 

 

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